一級土木施工管理技士のメリットとは?利点とキャリアプランついて徹底解説


「土木施工管理技士」は、土木業界でのキャリアアップを目指す人にとって重要な資格です。特に「一級土木施工管理技士」は二級に比べて難易度がかなり高い試験ですので、保有していれば業界ではかなり重宝されます。
しかし資格を取得することで、どのような具体的メリットがあるのかご存知でしょうか?
本記事では、一級土木施工管理技士の資格を取得することで得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。年収アップや職場での信頼度の向上、さらに将来的なキャリアパスまで、様々な視点からそのメリットを紹介します。資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
◆この記事で解決できる悩み◆
・一級土木施工管理技士の資格取得のメリットが知りたい
・資格取得がキャリアにどう影響するかを理解したい
・資格取得者の年収について知りたい
・資格取得が職場での信頼度にどう影響するかを知りたい
1. 一級土木施工管理技士とは
一級土木施工管理技士は、土木工事の計画、施工管理などを専門的に行うための国家資格です。 以下では資格の概要から仕事内容、試験の特徴まで詳しく解説します。
1-1. 資格の概要
一級土木施工管理技士は公共事業や民間工事など幅広い分野で活躍することができます。この資格は、特に大規模なプロジェクトや重要なインフラ整備の現場で必須とされており、現場の責任者としての役割を担います。試験内容は、土木工学や施工管理法、法規など広範な知識を求められ、一次試験と二次試験の合格をもって資格を取得することができます。 一次試験はマークシート(4肢択一式)ですが、二次試験は記述式ですので、専門用語や数字、法規などについても深く理解する必要があるでしょう。
1-2. 土木施工管理技士1級と2級の違い
一級土木施工管理技士と二級土木施工管理技士の大きな違いは、担当できる工事現場の規模と責任範囲です。一級は大規模な工事や公共工事の監理技術者としての役割を担うことができ、工事現場の総責任者となります。一方、二級は比較的小規模な工事の管理が中心です。例えば、請負代金が4,500万円以上の公共工事(建築工事一式の場合は7,000万円以上)では、一級の資格が必須とされます。
1-3. 一級土木施工管理技士の仕事内容
一級土木施工管理技士の主な仕事内容は、工事の計画、現場の管理、工程の進捗確認、品質管理、安全管理など多岐にわたります。具体的には、設計図書の確認、施工計画の立案、資材の調達、現場スタッフの指導、工事の進行状況の監視、事故防止対策の実施などが含まれます。また、工事完了後には、完成検査や引き渡しの手続きも行います。一級土木施工管理技士はこのように、現場全体を統括する役割を担い、プロジェクトの成功に直結する重要なポジションです。
1-4. 一級土木施工管理技士の受験資格
一級土木施工管理技士の受験資格には、学歴と実務経験が必要です。指定学科を卒業している場合、大学卒業後は3年以上、専門学校卒業後は5年以上の実務経験が求められます。指定学科以外の学歴の場合、必要な実務経験はさらに長くなります。
また、令和6年度(2024年)から、施工管理技士試験の受験資格が大きく変更されます。(※国土交通省・受験資格改正)これにより、より多くの人が受験しやすくなり、土木施工管理技士を目指すハードルが下がることが期待されています。
一次試験については1級は19歳以上、2級は17歳以上であれば誰でも受験ができるようになります。二次試験については実務経験が必要になりますが、経過措置として令和10年までに二次検定受験票の交付を受けている場合は、令和11年度以降も二次試験の受験が可能になります。
2. 一級土木施工管理技士のメリット
以下では一級土木施工管理技士のメリットについて解説します。
2-1. 年収の向上・昇進
一級土木施工管理技士の資格を取得することで、年収が大幅に向上する可能性があります。この資格を持つことで、より高い職位や責任を持つポジションに就くことができ、企業からの評価も高まります。例えば、ゼネコンや建設コンサルタント企業では、一級資格保有者の年収は平均550万円以上となり、中には1000万円を超えるケースもあります。また、資格手当やボーナスも充実しており、総合的な収入アップが期待できます。さらに、資格を持つことで昇進の機会も増え、管理職への道が開かれるでしょう。
2-2. 就職・転職に有利
一級土木施工管理技士の資格は、就職や転職において非常に有利です。多くの企業がこの資格を持つ人材を求めており、求人の幅が広がります。また、一級資格を持つことで、ゼネコンや大手建設会社、建設コンサルタント企業など、待遇の良い企業に転職するチャンスが増えます。公共工事を担当するための条件として、一級資格が求められることも多く、そのための競争力が高まります。さらに、公務員としての土木職にも転職しやすく、安定した職場環境や福利厚生を得ることも可能です。
2-3. 職場内、取引先への信頼度向上
一級土木施工管理技士の資格を取得することで、職場での信頼度が向上します。資格保有者は、専門知識と実務経験を兼ね備えていることが証明され、プロジェクトの管理や監督を任されることが多くなります。これにより、同僚や上司からの信頼が厚くなり、リーダーシップを発揮しやすくなります。また、資格取得者は最新の技術や法規に精通しているため、工事の効率化や品質向上にも寄与することができます。企業としても、一級資格保有者をが在籍しているということは信頼性の向上に繋がり、受注活動において大きなメリットとなります。
3. 一級土木施工管理技士が求められる業界・転職先
一級土木施工管理技士を必要としている会社はたくさん存在しています。以下では求められる業界・転職先(就職先)について解説します。
3-1. ゼネコン・土木工事を請け負う建築会社
一級土木施工管理技士は、特にゼネコンや大手の土木工事を請け負う建築会社で高く評価されます。ゼネコンとは、総合建設業者のことで、大規模な公共事業や民間プロジェクトを総合的に請け負う企業です。これらの企業では、大規模なインフラ整備や都市開発など、プロジェクトの規模が非常に大きく、専門的な知識と経験を持つ一級資格保有者が求められます 。
ゼネコンでのキャリアは、高収入と充実した福利厚生が魅力です。具体的には、資格手当やプロジェクトの成功報酬、定期的なボーナスなどがあり、安定した収入が期待できます。
また、ゼネコンでは、新しい技術や工法を取り入れることが多く、最新の土木技術やマネジメントスキルを学ぶ機会が豊富にあります。これにより、一級土木施工管理技士としての専門性をさらに高めることができます 。
3-2. 公務員・役所の土木職
公共工事を発注する役所や自治体でも、一級土木施工管理技士の資格は重宝されます。公共事業の計画や管理、監督を行う際に、一級資格保有者の専門知識が必要とされるためです。役所や自治体では、道路や橋梁の建設、河川の整備、都市開発など、多岐にわたる公共インフラプロジェクトを担当します。
公務員としてのキャリアは、安定した職場環境と充実した福利厚生が魅力です。定期的な昇給や退職金制度、健康保険、年金制度などが整っており、長期的なキャリアプランを描きやすいです。また、公共事業に携わることで、地域社会への貢献度が高く、やりがいを感じることができます 。
3-3. 建築コンサル会社・設計会社
建築コンサルタントや設計会社も、一級土木施工管理技士の資格を持つ人材を求めています。これらの企業では、土木工事の計画や設計、施工管理において高度な専門知識が必要とされるため、一級資格保有者は高く評価されます。
建築コンサルタント会社では、プロジェクトの計画段階から関与し、最適な施工方法や工程管理、コスト管理を提案します。これにより、効率的で高品質なプロジェクト遂行が可能となり、クライアントからの信頼も厚くなります。設計会社では、インフラ整備や都市開発の設計を行い、プロジェクトの基盤を作り上げる重要な役割を担います。
また、これらの企業では、様々なプロジェクトに携わる機会が多く、多様な経験を積むことができます。プロジェクトごとに異なる課題に対応することで、問題解決能力やクリエイティブな思考力が鍛えられるでしょう。
まとめ|一級土木施工管理技士のメリット
・公共事業や民間工事など幅広い分野で活躍することができる
・一級は二級と比べてより大きな案件も対応できる
・令和6年から受験資格が緩和される
・資格取得をすることで、年収アップや就職・転職に有利
・資格取得は職場での信頼度向上につながる
一級土木施工管理技士の資格は、土木業界でのキャリアアップを目指す方にとって非常に有益です。この資格を取得することで、年収アップや就職・転職の際の優位性を得られるだけでなく、長期的なキャリアプランを描くことができます。ぜひ、この資格取得を目指して、自身のキャリアをグンと飛躍させてください。