【2024年】1級建設機械施工管理技士の合格率は?難易度や試験内容、制度改正による変更点について紹介!
1級建設機械施工管理技士は、建設業界で重要な役割を果たす国家資格です。取得をすることで建設機械のプロフェッショナルとして活躍できます。
特に施工管理技士の資格は、令和6年4月に試験の受験資格に関して改正が行われており、今年度の試験で大幅な変更が見られました。
本記事では、1級建設機械施工管理技士の合格率や令和6年に行われた試験内容の改正点についてご紹介します。
1.1級建設機械施工管理技士とは
1級建設機械施工管理技士とは、国土交通省が管轄する国家資格である施工管理技士の資格のうちの一つです。建設現場においては、各種建設機械を使って施工する際の施工管理者を指します。
具体的な業務内容は、主に建設機械を使った工事に関する施工計画や、施工管理・工程管理・安全管理などの現場管理です。
建設機械施工管理技士になるためには、1級建設機械施工管理技士、もしくは2級建設機械施工管理技士の資格を取得する必要があります。
1級と2級の違いは、工事現場の規模と業務上における権限の範囲です。2級建設機械施工管理技士の場合は、建設機械の種類に応じて受験することができるため、自身が取得した種類の建設機械の指導や監督業務を行うことができます。
2.2024年に受験資格が改正・緩和
建設業の人手不足が深刻化する昨今の状況を受け、建設業法に基づく技術試験(第一次・第二次検定)の受験資格の見直しが令和6年より行われました。
以下より、国土交通省より発表された見直し内容となります。
2-1.1級建設機械施工管理技士の受験資格
令和6年度以降の試験の受験資格に関して、下記のような改正が行われました。
【令和6年度以降の技術検定受験資格】
■第1次検定
・年度末時点での年齢が19歳以上
■第2次検定
□1次検定合格後
・実務経験5年以上
・特定実務経験(※1年以上を含む実務経験3年以上)
・監理技術者補佐としての実務経験1年以上
□2次試験合格後、実務経験3年以上(建設機械種目について2年以上)
・1級1次検定合格後、実務経験1年以上
※参照:一般社団法人 日本建設機械施工協会 試験部
令和6年度から施工管理技士の技術検定の受験について、1次試験は学歴や実務経験の制限がなくなり年齢制限だけになります。
そのため、各専門分野の基礎知識を確認する目的で、試験問題が充実されることになります。第二次試験では、受験者の具体的な経験に基づく問題の解答を確実に求めるため、設問が見直されました。
2-2.1級建設機械施工管理技士補とは
1級施工管理技士補は、1次検定に合格すると取得できる資格です。監理技術者補佐として監理技術者の代わりに工事現場に配置されます。工事が適正に行われているか、責任者の立場に立って施工管理計画の作成・工程監理・品質管理・下請負業者への監督指導など、監理技術者のサポートが可能です。
3.1級建設機械施工管理技士の難易度は?
1級建設機械施工管理技士の取得は難しいと思われがちですが、国家資格の中では極端に難易度が高いわけではありません。ただし、1級の場合は、一夜漬けで合格できるようなレベルではなく、十分な試験対策がなければ合格は難しいでしょう。
ここからは、1級建設機械施工管理技士の試験内容や合格率についてご紹介します。
3-1.1級建設機械施工管理技士の試験内容
試験は、「第1次検定」と「第2次検定」の二部構成で、第2次検定では筆記試験に加えて実技試験も行われます。
■第1次検定:出題形式:マークシート方式
出題数:50問の中から40問を選択して回答。回答数40問のうち、正解率60%(24問)以上が合格となります。
試験内容:土木工学・建設機械原動機・石油燃料・潤滑剤・建設機械・建設機械施工法・法規の7分野の中から一般知識が出題されます。
■第2次検定:記述試験(筆記試験):1時間
合格:正解率60%以上
実技試験:以下の中から2種類を選択
第1種:トラクター系建設機械操作施工法(ブルドーザー 6~12トン級)
第2種:ショベル系建設機械操作施工法(油圧ショベル 山積み0.28~0.45 立法メートル級)
第3種:モーター・グレーダー操作施工法(モーター・グレーダー 3.1メートル級)
第4種:締め固め建設機械操作施工法(ロード・ローラー 10~12トン級)
第5種:舗装用建設機械操作施工法(アスファルト・フィニッシャー 2.5~4.5メートル級)
第6種:基礎工事用建設機械操作施工法(アースオーガー 杭打機 40~50トン吊級)
3-2.1級建設機械施工管理技士の合格率は?
1級建設機械施工管理技士の合格率は過去5年間で、第1次検定:平均25.4%、第二次検定の合格率は平均62.2%となっています。第1次検定は合格率が低いものの、2次検定は合格率は高い傾向にあります。
4.令和6年度の試験で見られた出題内容の変化
令和6年度以降の技術検定の試験問題見直しに関して、以下の2点の見直しを行う方針です。
・第一次検定:第二次検定の所要実務検定の所要実務経験年数を学歴に拘らず一定とすることから、第一次検定について、各種専門分野の基礎を確認できるよう、必要に応じ、試験問題の充実を図る。
・第二次検定:受験者の経験に基づく解答を求める設問に関し、自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、設問の見直しを行う。
★令和6年6月16日に行われた試験では第二検定の記述試験にて出題形式が次のように変わっています。(※これまでの出題科目である「施工管理法」「建設機械施工法」「建設機械組み合せ施工法」には変わりありません。)
1.「施工管理法」と「建設機械施工法」については[No.1] 〜[No.3]までの設問分野の中から1つを選択解答としていた形式から、いずれかの設問分野から1つを出題する必須解答形式に変更。
2.「建設機械組み合せ施工法」は、受験者の経験工事について記述解答する設問が、提示する条件等に基づき解答する設問に変更。
5.1級建設機械施工管理技士の取得にかかる費用
1級建設機械施工管理技士の取得にかかる費用は、以下のようになっています。
【受験手数料】
第一次検定:¥14,700
第二次検定:¥38,700
(実技1種免除者は¥29,100、実技2種免除者は¥19,500)
合計:¥34,200〜¥53,400
6.まとめ
1級建設機械施工管理技士は、十分な勉強時間を設けてしっかり対策すれば合格は可能です。また、令和6年度の制度改正によって、19歳以上であれば、実務経験がなくても1級1次検定を受験できるようになりました。
学歴にかかわらず必要な実務経験年数が一律1〜5年に緩和されることによって、以前より早く受験が可能になった点も大きな改正点です。
今回の改正により施工管理技士試験を受験するハードルが以前より下がったと言えます。1級建設機械施工管理技士などの施工管理の仕事にご興味がある方はぜひチャレンジしてみては如何でしょうか。