1級土木施工管理技士の資格取得ガイド|仕事内容・年収・難易度まで徹底解説!
本記事では、1級土木施工管理技士の仕事内容や年収、資格取得方法、難易度などについて詳しく解説します。
令和6年度の試験改正点にも触れるので、資格取得を目指す方はぜひ参考にしてください。
1級土木施工管理技士とは
土木施工管理技士の仕事内容
土木施工管理技士の主な仕事は、土木工事が計画通りに進むように現場の施工管理を行うことです。
具体的には、品質管理、安全管理、工程管理、原価管理などの幅広い業務を担当します。
施工計画の立案から、資材の発注、労務管理、工事の進捗確認、関係各所との調整まで、土木工事の全工程に関わる重要な役割を果たします。
また、現場の安全確保や環境対策も施工管理技士の大切な仕事の一つです。
労働災害の防止や、騒音・振動・粉塵等の対策を行い、作業員の安全と周辺環境の保全に努めます。
土木施工管理技士は、土木工事の品質を確保し、安全かつ効率的に工事を進める上で欠かせない専門家なのです。
土木施工管理技士と建築施工管理技士の違い
仕事内容の違い
土木施工管理技士と建築施工管理技士は、どちらも施工管理の専門家ですが、扱う工事の種類が大きく異なります。
土木施工管理技士が担当するのは、道路、トンネル、橋梁、ダム、河川、上下水道など、土木工事全般です。
一方、建築施工管理技士が扱うのは、住宅、ビル、マンション、工場、学校など、建築物の工事が中心となります。
土木は、社会インフラの整備や国土開発に関わる仕事であるのに対し、建築は、人々の生活空間を創造する仕事と言えるでしょう。
また、工事の規模や工法、使用する材料や機械なども大きく異なります。
このように、土木施工管理技士と建築施工管理技士では、扱う工事の種類や内容が異なるため、必要とされる知識やスキルにも違いがあるのです。
土木施工管理技士の年収
土木施工管理技士の年収は、資格のグレードや経験年数によって大きく異なります。
一般的に、1級土木施工管理技士の年収は450〜700万円程度と言われています。
これに対し、2級土木施工管理技士の年収は、300〜600万円程度とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、実際の年収は、勤務先の企業規模や業績、個人の能力や実績によって大きく左右されます。
大手ゼネコンや有名企業に勤務する場合は、さらに高い年収を得られる可能性もあります。
また、資格を取得することで、キャリアアップや転職の際の有利な条件になることも大きなメリットです。
特に、1級土木施工管理技士は、工事現場の監理技術者として、より高い責任と権限を持つことができるため、キャリアアップに大きく貢献する資格と言えるでしょう。
1級と2級の違い
1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の大きな違いは、扱える工事の規模と求められる知識・経験の深さです。
ここでは、その違いについて詳しく見ていきましょう。
着手する工事現場の大きさの違い
1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士では、請け負うことができる工事の規模に違いがあります。
2級土木施工管理技士は、請負金額が4,500万円未満(建築一式工事の場合は7,000万円未満)の工事に限定されます。
一方、1級土木施工管理技士は、請負金額に制限がなく、大規模な工事でも現場の監理技術者として活躍できます。
つまり、1級土木施工管理技士は、高度な技術力と管理能力が求められる大規模プロジェクトを任せられる、より上位の資格と言えるでしょう。
ダムや橋梁、トンネルなどの大型インフラ工事から、震災復興工事まで、社会的に重要な工事の施工管理を担うことができるのが1級土木施工管理技士です。
令和6年度より受検資格が変更
令和6年度以降、1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の受検資格が大きく変更されます。
(※参考:一般社団法人全国建設研修センター)
これまでは、学歴や実務経験によって受検資格が細かく定められていましたが、令和6年度からは学歴要件が撤廃され、年齢要件のみに簡素化されます。
具体的には、1級は19歳以上、2級は17歳以上であれば、誰でも第一次検定を受検できるようになります。ただし、第二次検定の受検には、一定の実務経験が必要です。
1級の場合、第一次検定合格後に3年以上の実務経験を積む必要があります。
また、令和10年度までは経過措置として、従来の受検資格でも第二次検定を受検できます。
この制度改正により、より多くの人が挑戦しやすくなるとともに、技術力や経験を重視する仕組みになると言えるでしょう。
特に、これまで学歴要件が障壁となっていた人にとっては、大きなチャンスとなります。
一方で、第二次検定の受検には十分な実務経験が求められるため、現場経験を積む重要性がより高まることになります。
資格取得を目指す人は、日頃から積極的に現場に関わり、多様な経験を積んでおくことが大切です。
1級土木施工管理技士の将来性
1級土木施工管理技士は、土木工事の現場において非常に重要な役割を果たしています。
ここでは、1級土木施工管理技士の将来性について、様々な観点から考察していきます。
土木工事での重要な役割
1級土木施工管理技士は、土木工事の現場において、品質管理、工程管理、安全管理など、あらゆる面で中心的な役割を担っています。
特に、公共工事では、1級土木施工管理技士の配置が義務付けられているケースが多く、その需要は非常に高いと言えます。
国土強靭化や地方創生、災害復興など、土木工事は社会インフラの整備や維持において欠かせない存在であり、その重要性は今後もますます高まっていくでしょう。
1級土木施工管理技士は、そうした土木工事の品質と安全を確保する上で、なくてはならない専門家なのです。
建設業就業者の高齢化
建設業界では、就業者の高齢化が深刻な問題となっています。
国土交通省の調査によると、建設業就業者の35%以上が55歳以上で、29歳以下は10%に満たない状況です。
熟練の技術者が退職する一方で、若手の入職が進まないことで、将来的な労働力不足が懸念されているのです。
こうした中で、1級土木施工管理技士をはじめとする若手技術者の育成と確保が、業界の大きな課題となっています。
経験豊富な1級土木施工管理技士が退職していく中で、次世代を担う若手の1級土木施工管理技士の需要は、今後ますます高まっていくことでしょう。
資格を取得し、経験を積んだ若手技術者は、キャリアアップのチャンスに恵まれていると言えます。
土木施工管理技士のやりがい
土木施工管理技士の仕事は、社会インフラの整備や国土の発展に直接貢献できるやりがいの大きな仕事です。
道路、トンネル、橋梁、ダムなど、人々の生活を支える重要な構造物を造り上げていく過程に関われることは、大きな喜びとなるでしょう。
完成した構造物が、地図に残り、長きにわたって人々の生活を支えていくことを考えると、その仕事の意義の大きさを実感できるはずです。
また、施工管理の仕事は、常に新しい課題にチャレンジし、問題解決していく職務です。
豊富な知識と経験、そして柔軟な発想力が求められる一方で、それだけに自身の成長を実感できる機会も多いと言えるでしょう。
1級土木施工管理技士として、社会に貢献し、自己を成長させていくことは、大きなやりがいにつながるはずです。
1級土木施工管理技士の試験と勉強方法
1級土木施工管理技士の資格を取得するためには、一次検定と二次検定の両方に合格する必要があります。
ここでは、1級土木施工管理技士の検定試験の概要と、一次検定・二次検定の合格率、難易度、そして効果的な勉強方法について解説していきます。
検定試験の概要
1級土木施工管理技士の検定試験は、一次検定と二次検定の2段階で行われます。
一次検定は、土木工学等の知識を問う学科試験で、多肢選択式の問題に解答する形式です。
試験科目は、土木工学一般、専門土木、法規、共通工学、施工管理法などです。
一次検定に合格すると、二次検定の受検資格が得られます。
二次検定は、実際の工事経験に基づいて、施工管理に関する記述式の問題に解答する試験です。
合格すると、晴れて1級土木施工管理技士の資格が取得できます。
一次検定、二次検定ともに、毎年1回実施されます。
一次検定の合格率と難易度
1級土木施工管理技士の一次検定の合格率は、例年50%前後で推移しています。
一次検定の難易度は、2級に比べてかなり高いと言えます。
出題範囲が広く、土木工学に関する高度な知識が問われるため、しっかりとした対策が必要です。
特に、専門土木の分野では、各種の工事に関する詳細な知識が求められます。
また、近年では施工管理法の分野で、現場での問題解決能力を問う問題も増えてきています。
単なる知識の暗記だけでなく、実務に即した思考力や応用力も重要になってきているのです。
一次検定の合格のためには、土木施工管理技術全般にわたる幅広い知識と、それを実践的に活用する力を身につける必要があります。
二次検定の合格率と難易度
1級土木施工管理技士の二次検定の合格率は、例年20%前後とかなり低い水準にあります。
二次検定では、実際の工事経験に基づいて、施工計画、工程管理、品質管理、安全管理などに関する記述式の問題が出題されます。
単に知識を問うのではなく、経験に裏打ちされた実践的な管理能力が問われるのが特徴です。
合格するためには、豊富な現場経験と、それに基づく深い考察力が必要とされます。
また、記述式の問題だけに、文章表現力や論理的思考力も重要になってきます。
現場で発生する様々な問題に対して、自分の経験や知識を活かしてどのように対処するか、それを説得力のある文章で表現できなければなりません。
二次検定の難易度の高さは、1級土木施工管理技士の資格の価値の高さを反映しているとも言えるでしょう。
令和6年度以降の試験の変更点
令和6年度以降、1級土木施工管理技士の試験には、いくつかの重要な変更点があります。
ここでは、第一次検定と第二次検定それぞれの変更点について詳しく見ていきましょう。
第一次検定 – 土質工学、構造力学、水理学の分野が追加
令和6年度以降の第一次検定では、新たに土質工学、構造力学、水理学の分野が追加されます。
これは、1級土木施工管理技士に求められる知識の範囲が拡大されることを意味しています。
土質工学は、地盤の性質や挙動を扱う分野で、基礎工事や土工事などに関連する重要な知識です。
構造力学は、構造物の力学的な挙動を解析する分野で、橋梁やトンネル、ダムなどの設計・施工に不可欠な知識となります。
水理学は、水の流れや性質を扱う分野で、河川工事や上下水道工事などに関連する知識です。
これらの分野が追加されることで、より広範な土木工学の知識が問われることになります。
受験者は、これらの分野についても十分な学習が必要となるでしょう。
第二次検定 – 受検者の経験に基づく解答を求める設問の見直し
第二次検定では、受検者の経験に基づく解答を求める設問の見直しが行われます。
具体的には、自身の経験に基づかない解答を防ぐため、設問の表現が改められる予定です。
これまでも、第二次検定では受検者の実務経験に基づく解答が求められてきましたが、よりその趣旨が明確になるような問題作りが行われることになります。
受検者は、自身の経験を十分に振り返り、それを具体的かつ説得力のある形で解答に反映させることが重要になってきます。
単なる知識の羅列ではなく、自分の経験に裏打ちされた実践的な考察力が問われることになるでしょう。
第二次検定 – 幅広い視点から経験を確認する設問に
第二次検定では、幅広い視点から受検者の経験を確認する設問が増えていきます。
これまでも、施工計画や工程管理、品質管理、安全管理など、様々な角度から経験を問う問題が出題されてきましたが、さらにその傾向が強まることになります。
例えば、施工上の課題に対して、技術的な観点だけでなく、コスト面や環境面、安全面などを総合的に考慮した解決策を問う問題などが考えられます。
受検者は、自身の経験を多角的に捉え、様々な視点から分析・考察できる力が求められます。
現場での問題解決には、技術的な専門性だけでなく、幅広い視野と総合的な判断力が不可欠だからです。
効果的な勉強方法
参考書や過去問で勉強する
1級土木施工管理技士の試験対策には、まず参考書や過去問を活用した勉強が欠かせません。
参考書で基礎的な知識を身につけ、過去問で出題傾向や問題の解き方を理解することが重要です。
特に、第一次検定では、広範な分野から様々な形式の問題が出題されるため、体系的な学習が必要です。
参考書などを活用して、土木工学のそれぞれの分野の基礎を固めていくことが大切でしょう。
また、過去問を繰り返し解くことで、問題の傾向をつかみ、時間配分やミスを防ぐコツをつかむことができます。
動画教材で勉強する
近年では、インターネット上の動画教材を活用した学習も人気です。
動画教材なら、いつでもどこでも、自分のペースで学習を進められるのが大きなメリットです。
また、講師による分かりやすい解説を聞くことで、理解が深まります。
特に、第二次検定対策では、実際の現場を想定した説明が受けられる動画教材が効果的です。
施工管理の流れや、現場で起こりうる課題への対処法など、実践的なノウハウを学ぶことができます。
自身の経験と照らし合わせながら学習を進められるのも、動画教材ならではの利点と言えるでしょう。
専門学校に通う
本格的に資格取得を目指すなら、専門学校に通学するのも一つの方法です。
専門学校では、経験豊富な講師陣による体系的な指導を受けられます。
また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら学習を進められるのも大きなメリットです。
特に、実務経験が浅い人にとっては、専門学校での学習は効果的だと言えます。
現場経験を積む機会が少ない分、学校での講義や演習を通じて、実践的な知識やスキルを身につけることができるからです。
ただし、専門学校に通うには、時間的・経済的なコストがかかることも考慮する必要があります。
オンライン講座を受講する
自宅学習と専門学校の中間的な選択肢として、オンライン講座の受講も検討してみる価値があります。
オンライン講座なら、自宅にいながら専門家の指導を受けられるのが最大のメリットです。
また、自分のペースで学習を進められるため、仕事や家事との両立もしやすいでしょう。
最近では、双方向型のオンライン講座も増えてきており、講師に直接質問できる環境も整ってきています。
教室での学習と遜色ない学習効果が期待できると言えます。
ただし、オンライン講座でも、一定の受講料がかかることは覚えておく必要があります。
自分の予算や学習スタイルに合ったオンライン講座を選ぶことが大切です。
独学サポート事務局のサービス
独学サポート事務局は、施工管理技士試験の合格を目指す方に、充実した受験対策サービスを提供しています。
ここでは、独学サポート事務局が提供する主要なサービスについて詳しく解説していきます。
論文添削サービス
独学サポート事務局が提供する最大の強みが、経験豊富な講師陣による論文添削サービスです。
特に、施工管理技士試験の第二次検定では、工事経験記述論文の出来が合否を大きく左右します。
しかし、現場経験の浅い受験者にとって、合格レベルの論文を書くのは容易ではありません。
そこで、独学サポート事務局では、10年以上の指導実績を持つベテラン講師が、受験者一人ひとりに合わせたきめ細やかな添削指導を行っています。
受験者の経験や立場に合わせてオリジナルの記述論文を作成し、合格に必要な要点を過不足なく盛り込むことで、合格への近道を提供しているのです。
講座の特徴
経験豊富な講師陣
独学サポート事務局の講座の大きな特長は、経験豊富な講師陣の存在です。
講師陣は、いずれも施工管理技士試験の指導に長年携わってきたベテランぞろい。
試験傾向の変化を熟知しており、的確な指導で受験者を合格へと導きます。
特に、論文添削においては、10年以上の指導実績を持つ講師陣が、受験者一人ひとりの経験や特性に合わせたアドバイスを提供。
合格のためのポイントを的確に指摘し、論文の完成度を高めていきます。
充実の受験対策
独学サポート事務局の講座では、独学者でも無理なく学習を進められるよう、充実した受験対策サービスを用意しています。
厳選された教材の提供をはじめ、過去問題の解説、模擬試験の実施、学習スケジュールのアドバイスなど、多角的なサポートが受けられます。
また、メールや FAX などで随時質問を受け付けており、受験者の疑問や不安にも丁寧に対応。
独学者特有の孤独感を感じることなく、万全の体制で試験本番に臨めるのです。
講座の種類
独学サポート事務局では、施工管理技士試験の級や種目に合わせて、様々な講座を用意しています。
ここでは、土木施工管理技士の 1 級・2 級それぞれの講座について解説します。
1級土木施工管理技士コース
1級土木施工管理技士コースでは、1級土木施工管理技術検定の第一次検定・第二次検定それぞれに対応した講座を提供しています。
第一次検定対策では、土木工学の基礎知識から専門知識まで、幅広い分野をカバーした教材と指導が受けられます。
第二次検定対策では、論文添削指導に加え、記述式問題の解法や実践的な施工管理手法など、合格に必要なスキルを身につけていきます。
いずれのコースも、ベテラン講師陣による手厚い指導と、充実した学習サポートが特長です。
2級土木施工管理技士コース
2級土木施工管理技士コースも、1級と同様に、第一次検定・第二次検定それぞれに対応した講座を用意しています。
第一次検定対策では、2級レベルの土木工学の基礎知識を効率的に学習できるカリキュラムとなっています。
第二次検定対策では、論文添削指導に加え、施工管理の基礎的なスキルを身につける演習などを実施。
2級においても、独学者が躓きやすいポイントを丁寧にフォローし、合格へと導いていきます。
独学サポート事務局の講座は、施工管理技士の資格取得を目指す全ての方に、自信を持ってお勧めできる内容となっています。
“合格への近道”を提供する独学サポート事務局で、万全の対策を整え、確実に合格を勝ち取りましょう!
1級土木施工管理技士を取得するメリット
1級土木施工管理技士は、土木工事の現場で最も重要な役割を担う監理技術者になるために必須の資格です。
ここでは、1級土木施工管理技士を取得することで得られる主なメリットについて詳しく解説します。
キャリアアップや収入アップを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
監理技術者になれる
1級土木施工管理技士の最大のメリットは、なんといっても監理技術者になれることです。
監理技術者とは、建設業法で定められた国家資格で、一定規模以上の工事では必ず配置しなければならない重要な役職です。
具体的には、公共工事で4,500万円以上(建築一式の場合は7,000万円以上)の工事に携わる際には、1級土木施工管理技士などの監理技術者資格が必要となります。
監理技術者は、現場の最高責任者として、工事の品質管理、工程管理、安全管理など、あらゆる面で重要な役割を果たします。
つまり、1級土木施工管理技士の資格を取得すれば、建設業界でのキャリアアップが大きく期待できるのです。
転職で有利になる
建設業界は、他の業界に比べて有資格者を非常に重視する傾向があります。
特に、1級土木施工管理技士は、現場の要となる監理技術者の候補となる資格ですから、転職の際には大きなアピールポイントとなります。
実際、建設系の求人でも、1級土木施工管理技士の有資格者を積極的に募集しているケースが多く見られます。
資格を取得しておけば、より良い条件での転職や、希望する企業への就職のチャンスが広がります。
キャリアアップを目指す上で、1級土木施工管理技士の資格は、非常に強力な武器になると言えるでしょう。
昇給や昇進のチャンス
1級土木施工管理技士の資格は、社内での昇給や昇進のチャンスにもつながります。
多くの建設会社では、資格取得者に対して資格手当を支給したり、昇給・昇進の基準に資格を加味したりしています。
特に、1級土木施工管理技士は、監理技術者の候補となる資格ですから、社内での評価や待遇面でも有利に働くことが期待できます。
将来的には、工事の規模や重要度に応じて、現場代理人や監理技術者といった管理職への道も開けてくるでしょう。
もちろん、資格を取得したからといって即座に昇給・昇進できるわけではありませんが、社内でのキャリアアップに大きく貢献してくれる資格であることは間違いありません。
昇進・昇給の条件
とはいえ、1級土木施工管理技士の資格を取得しただけで、すぐに管理職になれるわけではありません。
一般的に、昇進・昇給の条件としては、資格だけでなく実務経験や能力なども重視されます。
例えば、監理技術者になるためには、1級土木施工管理技士の資格に加えて、10年以上の実務経験が必要とされています。
また、現場代理人になるためには、施工管理能力はもちろん、マネジメント能力やコミュニケーション能力なども求められます。
したがって、資格取得後も、日々の業務に真摯に取り組み、着実に経験とスキルを積み重ねていくことが大切です。
1級土木施工管理技士の資格は、キャリアアップの大きなチャンスを与えてくれますが、それを生かすも殺すも、本人の努力次第だと言えるでしょう。
1級土木施工管理技士の転職先
1級土木施工管理技士は、建設業界でも特に需要の高い資格です。
ここでは、1級土木施工管理技士の主な転職先について、具体的に解説していきます。
キャリアアップや待遇改善を目指して転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ゼネコン
1級土木施工管理技士の転職先として、まず真っ先に挙げられるのがゼネコン(総合建設会社)です。
ゼネコンは、大規模な土木工事から建築工事まで、幅広い建設事業を手がける大手企業です。
そのため、1級土木施工管理技士の需要が非常に高く、有資格者を積極的に採用しているケースが多いです。
ゼネコンでは、入社後、まずは現場の施工管理業務から始めるのが一般的です。
その後、経験とスキルを積み重ねて、現場代理人や監理技術者といった管理職へとキャリアアップしていくことになります。
大手ゼネコンであれば、全国各地や海外に多くの工事案件を抱えているため、様々なプロジェクトに携われるチャンスがあります。
また、大企業ならではの充実した福利厚生や教育制度も魅力の一つと言えるでしょう。
海外事業を展開する企業
近年、日本の建設技術を海外に展開するケースが増えてきています。
特に、インフラ整備が急務となっている新興国などでは、日本の高い建設技術が大いに期待されているのです。
そうした海外事業を展開する建設会社では、1級土木施工管理技士の需要が高まっています。
海外の工事では、現地の気候や地形、文化などに合わせた柔軟な施工管理が求められます。
そのため、豊富な経験と高度な技術力を持つ1級土木施工管理技士が重宝されるのです。
海外事業に携われば、日本では経験できないようなダイナミックなプロジェクトに挑戦できるかもしれません。
また、海外赴任に伴う手当の支給など、待遇面でのメリットも期待できます。
グローバルな舞台で活躍してみたい方には、海外事業を展開する企業への転職もおすすめです。
国や自治体
意外に思うかもしれませんが、国や自治体も1級土木施工管理技士の主要な転職先の一つです。
国や自治体では、道路や河川、港湾など、社会インフラの整備・維持管理を担当する部署があります。
そうした部署では、1級土木施工管理技士の資格を持つ技術者が活躍しています。
国や自治体の仕事は、民間企業に比べると、あまり派手さはありません。
しかし、社会インフラの整備は、国民生活を支える重要な仕事です。
自分の仕事が直接社会に貢献できるやりがいは、公務員ならではの魅力と言えるでしょう。
また、公務員は一般的に民間企業に比べて雇用が安定しています。
福利厚生も充実しているため、腰を据えて長く働きたい方にはおすすめです。
キャリアアップを目指す上では、あまり注目されない選択肢かもしれませんが、国や自治体も1級土木施工管理技士の大きな転職先の一つなのです。
まとめ
1級土木施工管理技士は、土木工事の現場で最も重要な役割を担う監理技術者になるために必須の国家資格です。
資格を取得するには、学歴や実務経験に応じた受験資格が必要で、筆記試験と技術論文試験の両方に合格しなければなりません。
試験の難易度は高く、特に第二次検定の合格率は20%前後と非常に厳しいです。
合格するためには、専門知識の習得はもちろん、豊富な現場経験と論文作成のスキルが求められます。
ただし、その分取得のメリットも大きく、キャリアアップや収入アップに大きく貢献してくれる資格と言えるでしょう。
特に、監理技術者になれることは魅力的です。
監理技術者は、現場の最高責任者として、工事の品質管理、工程管理、安全管理など、あらゆる面で重要な役割を果たします。
また、資格取得者は転職でも優遇されるケースが多く、昇給・昇進のチャンスにもつながります。
転職先としては、ゼネコンをはじめ、海外事業を展開する企業や、国・自治体などが挙げられます。
いずれも、1級土木施工管理技士の高い技術力と経験を求めているのです。
もちろん、資格を取得しただけで、すぐに希望の職に就けるわけではありません。
資格取得後も、日々の業務に真摯に取り組み、着実に経験とスキルを積み重ねていくことが大切です。
とはいえ、1級土木施工管理技士の資格は、建設業界で最も価値の高い資格の一つであることは間違いありません。
技術力と経験、そしてマネジメント能力を兼ね備えた有能な人材として、社会に大きく貢献できるはずです。
1級土木施工管理技士の資格取得は、けっして楽な道のりではありませんが、その先には、大きなやりがいとキャリアアップのチャンスが待っています。
ぜひ、本記事を参考に、1級土木施工管理技士の魅力と可能性を感じ取っていただければ幸いです。資格取得を目指して、ともに頑張っていきましょう!