1・2級施工管理技士試験に挑戦するあなたへ『独学サポート事務局』

1級土木施工管理技士の経験記述は難しい?ポイントや注意点、攻略法をご紹介

2025年11月6日 講師 T.M

 1級土木施工管理技士は、土木施工の現場で活躍するために必要な技術力と管理能力を証明する国家資格です。土木業界に携わる方なら誰もが目指す資格といえるでしょう。

 しかし、試験合格を目指す上で多くの受験者にとって高い壁となるのが、二次検定の「経験記述」です。「経験記述」では、自身の実務経験を論理的かつ明確に伝える力が求められ、適切な表現ができなければ減点の対象となる可能性もあります。

 そこでこの記事では、経験記述対策を成功させるための具体的なポイントや注意点、そして効率的な対策法について詳しく解説していきます。試験合格を確実なものにするため、ぜひ最後まで読み、適切な準備を進めていきましょう。

1級土木施工管理技士、第二次検定の概要

 1級の二次検定は毎年1回、10月に開催され、合格発表は翌年1月に通知されます。他にも受験者なら知っておかなければいけない情報があるため、その概要を詳しく解説します。

試験の形式

 1級土木施工管理技士の二次検定は、記述式の試験で、施工管理の実務経験や知識が問われます。出題数は全11問で、その内訳は必須問題3問と選択問題8問です。受験者は、選択問題のうち4問を解答する必要があります。

 特に注意が必要なのは、必須問題の「施工経験記述」です。「施工経験記述」は、施工管理の経験を基に記述するもので、ここが無記載または著しく不適切と判断されると、それ以降の問題の採点はされません。つまり、どんなに他の問題が正しく記述できていたとしても、不合格となるのです。

 また、選択問題においては解答すべき4問を超えて解答してしまうと、減点対象になります。そのため、事前にどの問題を選ぶかをしっかり決めておくことが重要です。

合格基準

 1級土木施工管理技士の第二次検定の合格基準は、得点率が60%以上と言われています。「言われている」と表現したのも、実は明確な合格基準は公開されていません。ですが、おおよそこのくらいを目標にすると合格するであろう得点が60%と言われています。

 すべてを正解する必要はありませんので、しっかり60%をとれるよう目指しましょう。 ただし、前述したように「施工経験記述」が無記載であったり、選択問題で解答すべき4問を超えて解答してしまうと採点不可・減点の対象となります。その点は注意しましょう。

試験時間

 1級土木施工管理技士の二次検定は、2時間45分の制限時間内で行われます。試験は記述式であり解答に時間がかかるため、時間配分をしっかり考えて進めることが重要です。

 特に「施工経験記述」の問題は文章量が多く、しっかりとした構成が求められるため、ここで時間をかけすぎると後の問題に影響が出ます。また、選択問題4問の記述も必要となるため、1問あたりにかけられる時間は限られています。

 試験中は、1つの問題にこだわりすぎないことが大切です。時間が足りなくなると、最後の問題が空白になってしまい、点数を落とす原因になります。そのため、事前にどの問題に何分かけるのかを決め、ペースを意識しながら解答することが合格へのカギとなるでしょう。

(※参考:一般財団法人全国建設研修センター

1級土木施工管理技士(経験記述)の出題項目

 次に、経験記述の出題項目を詳しくご説明します。令和6年度からは変更になっている点もありますので、見逃さないようにしましょう。


出題傾向はおもに5項目から


 1級土木施工管理技士の経験記述では、おもに以下の項目が出題されます。

・施工計画:工事全体の計画や進行状況の管理
・工程管理:工事の各段階を適切に進め、スケジュール通りに完了させる管理
・品質管理:設計や仕様書に基づき、工事の品質を確保するための管理
・安全管理:作業員や周囲の安全を確保し、事故を防ぐための管理
・出来形管理:設計や仕様書に基づき、工事の出来形を確保するための管理
・環境対策:環境保全、副産物対策について(※令和7年度出題)
 近年の出題傾向としては、「品質管理」や「安全管理」が多く見られます。ですが、それらだけに集中するのではなく、全体的に備えておくことが大切です。

令和6年度からは2つのテーマを出題


 令和6年度より、1級土木施工管理技士の第二次検定における経験記述の出題形式が変更されました。この変更点を理解しておかなければ、試験時に焦って他の解答に影響が及びかねません。しっかり覚えておきましょう。

 まずひとつめの変更点として、従来は1つのテーマについて記述していましたが、令和6年度からは2つのテーマが出題され、それぞれに解答する形式となりました。実際に令和6年度では「安全管理」と「施工計画」、令和7年度では「品質管理」と「環境対策」の各2つずつテーマが提示されています。

 ふたつめの変更点として、記述欄の行数も27行から16行(×2題)に減少し、より簡潔で的確な表現が求められるようになりました。

 この変更により、受験者は複数のテーマに対応した準備が必要となります。各テーマに対して、工事概要、技術的課題、検討内容、対応処置を明確かつ具体的に記述することが求められます。そのため、日頃から多角的な視点で施工管理の経験を振り返り、整理しておくことが重要です。

1級土木施工管理技士(経験記述)の書き方

 ここで、経験記述の書き方の例をご紹介します。「工事概要」「工程管理」「品質管理」「安全管理」の4項目のそれぞれを解説しますので、しっかり理解しておきましょう。

工事概要


 工事概要の記載は、以下の7項目を含めることが求められます。

【工事名】
施工した工事の正式名称を記載します。ただし、建築工事や造園工事など、土木工事に該当しないものは避けるべきでしょう。例えば、学校やビルの新築工事は建築工事に分類されますが、基礎工事は土木工事に該当するため、「〇〇新築工事(基礎工事)」と記載すると良いでしょう。

【発注者名】
工事を依頼した組織や企業の名称を記載します。例えば、自治体からの発注であれば「〇〇市」や「〇〇県」とし、下請けの場合は元請け業者名を記載します。自社が発注者となる場合は、自社名を記載して問題ありません。

【工事場所】
工事が行われた正確な住所を番地まで詳細に記載します。都道府県から始まり、地区の名称まで、可能なら番地まで、記入漏れのないようにしましょう。

【工期】
契約書に記載されている工事の開始日と終了日を記載します。和暦・西暦のどちらを使用しても構いませんが、表記は統一することが重要です。

【主な工種】
工事で実施した主要な作業内容を記載します。例えば、コンクリート工、路盤工、舗装工、暗渠工など、自身が記述できる工種を選択して書きましょう。

【施工量】
各工種における具体的な施工量を数値で記載します。例として、掘削〇〇㎥、盛土〇〇㎥、コンクリート打設量〇〇㎥、ひび割れ補修〇〇mなど、具体的な数値を挙げると良いでしょう。

【工事現場における自身の立場】
工事における自身の役割や立場を記載します。役職や肩書きまで書く必要はありませんが、現場での具体的な役割を明確にすることが重要です。例えば、現場監督、現場代理人、主任技術者、現場主任などが該当します。

 これらの項目を具体的かつ明確に記述することで、工事の全体像や自身の役割を的確に伝えることができるでしょう。

工程管理のポイント


 1級土木施工管理技士の経験記述における「工程管理」の書き方は、以下の3つのステップに分けて記述すると効果的です。

【技術的な課題の明確化】
まず、工事において直面した具体的な課題を明確にします。 例えば、「現場打ちのコンクリート打設では、通常4週間の工期が必要であり、これを短縮する必要があった」といった具体的な数値や状況を記載します。

【検討内容の詳細化】
次に、上記の課題を解決するために検討した具体的な方法を記述します。 例えば、「普通ポルトランドセメントから早強セメントへの変更を提案した」や「型枠解体の手間を省くために、ラス型枠の使用を検討した」といった具体的な対策を挙げると良いでしょう。検討内容は複数記載し、課題解決への多角的なアプローチを示すことが重要です。

【対応処置とその効果の記述】
最後に、実際に実施した対応策とその結果を具体的に記述します。
例えば、「早強セメントを使用することで、養生期間を10日間短縮できた」や「ラス型枠の採用により、型枠解体作業を省略し、5日間の工期短縮を実現した」といった具体的な成果を数値で示します。

 これらのステップを正確に記載することで、工程管理における課題解決の過程を明確かつ具体的に伝えることができるでしょう。

品質管理のポイント


 「品質管理」の書き方は、以下の3つのステップに分けて記述すると効果的です。

【技術的な課題の明確化】
まず、工事において直面した具体的な品質に関する課題を明確にします。
例えば、「梅雨時の施工で、降雨時のコンクリートの品質管理が課題となった」といった具体的な状況を記載します。他にも、気温やスランプ値の管理が必要なケースも考えられます。

【検討内容の詳細化】
次に、上記の課題を解決するために検討した具体的な方法を記述します。
例えば、「降雨量による施工中止基準の設定」や「異なるコンクリート配合の境界部の施工方法の検討」といった具体的な対策を挙げます。検討内容は複数記載することで、課題解決への様々なアプローチを示すことが重要です。

【対応処置と効果の記述】
最後に、実際に実施した対応策とその結果を具体的に記述します。
例えば、「降雨量が1時間あたり2ミリ以上の場合は施工を中止した」や「異なるコンクリート配合の境界部は十分に転圧し、一体化を図った」といった具体的な対応とその効果を数値で示します。

 これらのステップを踏み、具体的な数値や事例を用いることで、読み手にとって理解しやすい記述となるでしょう。

安全管理のポイント


 「安全管理」の書き方も、ステップを分けて記述すると効果的でしょう。

【技術的な課題の明確化】
まず、工事現場で直面した具体的な安全上の課題を明確にします。
例えば、「通行人が多い鋼橋塗装工事での第三者・飛来物落下事故防止対策が必要であった」といった具体的な状況を記載します。

【検討内容の詳細化】
次に、上記の課題を解決するために検討した具体的な方法を記述します。
例えば、「工具に落下防止のロープを取り付けることを検討した」や「監視員による日常点検チェックシートを用意した」といった具体的な対策を挙げます。なるべく複数の検討内容を記載するようにしましょう。

【対応処置とその評価の記述】
最後に、実際に実施した対応策とその結果を具体的に記述します。
例えば、「作業員の安全帯に工具落下防止用のロープを取り付けた」や「監視員に点検してもらいたい重要項目の点検シートを作成し、点検回数を増やした」といった具体的な対応とその効果を示します。

 以上が「工事概要」「工程管理」「品質管理」「安全管理」4項目の書き方の例でした。

 しかし、今回はあくまで例でご紹介した内容ですので、これをそのまま流用して合格することはできません。自身の経験を例に沿ってまとめ、そこに具体的な内容を肉付けし、採点者が理解しやすい記述に仕上げることが大切です。

1級土木施工管理技士(経験記述)攻略のポイントと注意点

 最後に経験記述攻略を目指して、ポイントとなる部分と注意点を合わせてご紹介します。

実体験を具体的に記述できるようにしておく


 1級土木施工管理技士の経験記述では、自身の実体験を具体的に記述できることが重要です。具体的な数値や状況を交えて詳細に記述することで、説得力のある内容となります。

 また、参考書の解答例をそのまま使用することは避けるべきです。採点者には模倣が見抜かれる可能性が高く、最悪の場合、失格となるリスクもあります。

字の書き間違いがないようにする


 経験記述は手書きでの解答が求められます。日常的にパソコンやスマートフォンを使用していると、手書きの機会が減り、漢字の書き間違いや誤字脱字が増える可能性があります。そのため、普段から手書きの練習を行い、丁寧に書く習慣を身につけることが重要です。

 採点者は人間であり、読みやすい文字の方が好印象を与えます。文字の美しさが直接合否に影響することは少ないかもしれませんが、極端に読みにくい文字は避けるべきでしょう。

語尾を「である」調に統一する


 経験記述を作成する際は、文末の語尾を「である」調に統一することが重要です。これにより、文章全体が客観的で一貫性のある表現となり、読み手にとって理解しやすくなります。

 例えば、「現場では安全を守ることが大切です。」という文は、「現場では安全を守ることが大切である。」とすることで、より正式な表現となります。
 語尾の統一は、読み手に対して情報を正確に伝える効果があるため、経験記述において推奨されています。

合格できる基準を把握しておく


 前述しましたが、1級土木施工管理技士の第二次検定に合格するためには、総得点の60%以上を取得することが目標となります。実際に過去の合格率を見てみると、例えば令和5年度は33.2%、令和6年度は41.2%と推移しています。このことから、合格基準をしっかりと把握しておくことが重要です。

 具体的には、各分野での得点配分をある程度掌握し、弱点分野を重点的に対策することで、効率的な学習ができるでしょう。また、過去問を活用し、出題傾向を把握することも効果的です。これらの対策を通じて、合格基準を上回る得点を目指しましょう。

添削指導サービスなどを利用する


 経験記述は、自分では適切に書けたと思っていても、第三者の視点から見ると改善点が多い場合があります。そのため、添削指導サービスを活用すると、記述の質を向上させやすくなります。

 添削指導サービスとは、専門家が記述の構成や表現をチェックし、より伝わりやすい文章にするためのアドバイスを提供してくれます。また、誤字脱字や論理的な矛盾を指摘してもらえるため、試験本番での減点リスクを減らせるでしょう。

 特に初めて経験記述に取り組む場合や、自信がない場合は、プロの視点から客観的にフィードバックを受けることで効率よく対策を進められます。
 自分だけでの対策に限界を感じたら、添削指導を活用するのも一つの方法です。

独学をサポートする効率のいい対策法

 1級土木施工管理技士の経験記述では、実務経験を明確に伝えることが重要です。しかし、独学では表現の仕方や専門用語の使い方に不安を感じる方も多いでしょう。特に、適切な文章構成ができていないと、本来評価されるべき知識や技術が正しく伝わらず、合格が遠のいてしまいます。

 こうした課題を解決するために、前章で解説した「添削指導サービス」の利用がオススメであり、その中でも特に利用にオススメされるのが、「独学サポート事務局」です。
「独学サポート事務局」では、経験記述の添削サービスや作文作成代行サービスを提供しています。

 添削サービスでは、受験者が作成した文章を専門家がチェックし、伝わりやすい構成や適切な専門用語の使用を指導しています。そのため、より説得力のある文章へとブラッシュアップできます。
 また、作文代行サービスでは、受験者の実務経験をもとに、質の高い経験記述の文章を作成しています。その文章を参考にすることで、経験や知識を効果的に伝える力が身につくでしょう。

 独学では気づきにくいポイントを的確に指摘してもらえるため、効率的に対策が進められるでしょう。
 試験勉強にかけられる時間は限られています。「独学サポート事務局」のサービスを活用し、より効果的に学習を進めて合格の可能性を高めましょう。

まとめ|経験記述の対策で1級土木施工管理技士合格を目指そう!

 この記事では、経験記述対策を成功させるための具体的なポイントや注意点、そして効率的な対策法について詳しく解説しました。

 二次検定は記述式であることと、2級と比べてもより知識や経験の深さを伝える文章力も必要になるため、合格率も低い狭き門と言われています。

 しかし、対策をしっかり行った方は確実に合格を掴み取っています。この記事を参考に、二次検定の対策を行い、資格試験合格を目指しましょう。